地域によって変わる価値観

看護師は、他の仕事と比較して大きな違いがあるのは、自分の職場の希望が通る可能性が高いということです。例えば、大きな病院の特定の診療科で働きたい。あるいは、小さな診療所で働きたいという人もいるでしょう。
また、近年では医療機関以外の場所でも看護師が望まれています。企業の保健室や介護施設、保育所から果ては医療関連企業のコールセンターまで、看護師の知識と技術、経験の生きる職場はたくさんあります。
それだけではありません。慢性的な人手不足ということもあって、看護師の就転職市場は売り手市場です。うまく交渉すれば、自分が望む待遇で働くことのできる職場に入ることができる可能性も他の職業と比較すると高い傾向にあります。
さらに、生活形態によって日勤しかできない人、逆に夜勤専門で働きたい人にも希望の職場を見つけることができるチャンスがあります。これほど多様な職場、多様な働き方ができる職業は他にはそうはありません。
その一方で、自分の希望をどこまで要求して良いのか、同僚や先輩の看護師はどのように思っているのか、他の職場の看護師の状況はどのようなものなのだろうか。こうしたことに悩む看護師も少なくありません。
さらには、例えば同じ規模の病院の同じ診療科に務める看護師でも、その職場がある地域によっても大きな違いがあります。そうした中で、例えば様々な看護に関する記事を読んでも自分のケースとは異なる状況であったりするなど、その記事をどこまで信じて良いのかもわからなくなってしまいます。
都会の看護師と地方の看護師はどう違うのでしょうか。ある調査報告によると、都会で働く看護師は一人暮らしが多いのに対し、地方では家族と同居している看護師が多いそうです。また、講習会や研修などの教育に関しては都会の方が充実しているため、認定看護師などの資格の取得を目指す看護師が多いという特徴があります。
このように、ざっと比較してみてもプライベートの状況や教育に関する点において、都会と地方では大きく違ってきます。今いる職場に不満があり、価値観が受け入れられないのであれば、どこか遠く離れた病院へ転職してみてもいいかもしれません。大きく成長できる場所に身を置けば、自然とキャリアアップにつながっていきます。